梅乃宿

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新しい酒文化を創造する蔵07 酒蔵のおと

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梅乃宿の蔵人が独自の視点で、新しい酒文化をお伝えするコンテンツが始まります。私たちの酒造りに対する想い、梅乃宿の日本酒の楽しみ方など、梅乃宿の酒造りの現場から聞こえてくる「酒蔵のおと」を言葉に変えて、日本酒を皆さんに気軽に楽しんでいただける、リラックスしたコラムを佐伯麻優子が定期発信していきます。


vol.2 「梅乃宿流 ラベルの読み方」

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前回ご紹介しました『第18回梅乃宿蔵開き』、大勢のお客様にご来場いただき誠にありがとうございました。お楽しみいただけましたでしょうか?
当サイトを裏から全力で支えるのっぽさん(仮名:推定6フィート3インチ)に開催前、「『酒蔵のおと』見て佐伯さんを探し当てたお客様に何か特別なサービスしましょうよ」と言われて、「そんな(奇特な)方いらっしゃいますかね?」といいつつもお声をかけていただくことを密かに期待していました…。ええ、真に受けなくてよかった、という話ですよ。(でも「久しぶり~」とお声がけくださったお客様は何名かいらっしゃいました。いつもありがとうございます)
さて、蔵開きのように直接おススメしたり試飲していただけるならお気に入りも見つけやすいかもしれませんが、そうでないとき「見た目だけじゃ何買っていいかわからない」ということはありませんか?
今回のテーマは「清酒ラベルを解読して飲みたいお酒を探そう」です。

ラベル見てもよくわかんない?

最初から堅苦しい話でなんですが、酒のラベルは酒税法に基づく「表示しなければならないこと」と「表示してはならないこと」と「表示してもよいこと」と「表示の仕方」を定めた『清酒の製法品質表示基準』というきまりを元にして作っています。例えば「清酒は酒類の品目として『清酒』と必ず表示しなければなりませんが『日本酒』と表示してもよいことになっています」……というふうに。要は消費者のための表示をしましょうというきまりなんですが、逆に専門用語が多くてわかりづらいところがあるかもしれません。
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例として、風香シリーズの表ラベル(胴張り)を見てみましょう。中央最下段にそれぞれ”純米大吟醸””純米吟醸””純米”とあります。消費者に一番わかりづらいのはこれじゃないでしょうか?簡単にいうと清酒をランク付けする言葉です。
清酒は精米歩合や醸造アルコールの添加量など一定の条件を満たした『特定名称酒』とそれらの基準を満たさない(一般的に一番安価な)『普通酒』に分かれ、『特定名称酒』は更に次の表のように分かれます。

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定められた少量の醸造アルコールを添加する清酒は”本醸造”→”吟醸”→”大吟醸”の順に、添加しない清酒は”純米”→”純米吟醸”→”純米大吟醸”の順に高価になります。
 
じゃあどうして高いのか?風香ラベルの左中央に”精米歩合”という表示がありますが、『特定名称酒』では必ず「表示しなければならない」項目です。米は磨くほど当然小さくなっていきますが、磨くほど口あたりがよくきれいな酒になります。風香純米大吟醸で使うのは精米歩合50%の山田錦ですが、100kgの玄米を半分の50kgになるまで精米する……というとものすごーく高コストでしょう?
この中で一番お手頃価格の風香純米は同じ山田錦を65%になるまで精米しています。純米大吟醸と比べると味にふくらみがあります。以前は精米歩合が低い(数字が小さい)ほど「おいしい酒」というイメージがあったように思いますが、最近は精米歩合が高い個性的な酒、または高くてもきれいな飲みやすい酒、とバリエーションが増えています。

お店のサイトも見てみたけどよくわかんない??

oto-2-02『梅乃屋本舗』の風香純米大吟醸の詳細情報を見てみると、内容や味わいやおススメの飲み方を紹介しています。その中でわかりにくそうなのは「日本酒度」と「酸度」と「アミノ酸度」でしょうか。これは味の目安になる清酒の成分です。
oto-2-04日本酒度は甘辛の目安。辛いアルコールと甘い糖分のバランスで表れる数字で「+(プラス)」の数字が大きいほど辛口、「-(マイナス)」の数字が大きいほど甘口な傾向にあります。
oto-2-05酸度はそのまま数字が大きいほど酸味が多いということです。風香シリーズは1.2~1.5でそんなに差はありません。
oto-2-06アミノ酸度は数字が大きいほど旨味成分が多くて味が濃い酒といえます。
……ただし。お酒に限らず、ヒトが感じる味はいろんな成分の複雑なバランスで成り立っています。日本酒度がマイナス側でも酸度が高いと辛く感じますし、プラス側でもアミノ酸度が高いと甘く感じます。一概に言えない……というのが正直なところです。あくまでも目安、と思ってください。

用語はわかったけどお酒の選び方はよくわかんない???

清酒を買うときどうやって選ぶ?蔵人何人かに聞いてみましたところ「地酒専門店ならお店の人におススメを教えてもらう」という至極真っ当な答えが返ってきました。楽しみのためというより勉強のために買って飲むことが多いでしょうから、「最近人気の酒」とか「おもしろそうな酒」とかそういうのを薦めてもらうようです。
じゃあ、そういうプロがいないとき、お店の人に何を聞いていいかわからないとき。これは一例ですが、飲んだことない蔵のお酒は”純米吟醸”を買います。先代杜氏に昔「高い酒はおいしくて当たり前。安い酒をいかにうまく造るか」と教えられたからなんですが、一番安いお酒じゃないのは(ハズレだといやだな……)というある意味貧乏性のせいです。
逆にお客様におススメするときは「ご贈答用orご自宅用」「甘口or辛口」「軽い(飲みやすい)or重い(味が濃い)」「燗酒or冷酒」「ご予算」などなど細かくお尋ねしてアイテムを絞っていきます。ですから「清酒のことってなんとなく聞きづらい」と思っている方、臆せず頼っていただいていいんですよ!
でもそうですね、

この4つのどれがいいかおっしゃっていただくとおススメしやすいです。販売店の試飲や飲食店の呑みくらべセットなどでご自分の好みを探してみてください。

蔵開きが終わったと同時に奈良は一気に寒くなってきました。新米もどんどん入荷してきて、いよいよ本格的な酒造りシーズン到来。それは清酒を飲みたくなるシーズンの到来でもあります。さあ、今日のお酒は何にします?