酒を造るということは、日本の文化を継承するということ。 酒文化の伝道する梅乃宿のポリシーをご紹介します。
SEASON 02
酒造りの担い手たち
vol.4 自分が梅乃宿の顔になることで、日本酒のファンを広げたい。
営業 高岡 伸之介
以前は歯科用ユニットの製造メーカーに勤務していましたが、奈良が好き、奈良を盛り上げたいという思いから、梅乃宿への転職を果たしました。会社訪問の際、梅乃宿のスタッフの活気や仕事に対する熱意にノックアウトされて、翌日、無謀にも前の職場に辞表を提出したんです。梅乃宿から採用の連絡が来るまではドキドキでしたね。
現在は、大阪、京都、奈良、兵庫、滋賀、それに四国を加え、2府7県の営業を担当しています。どの地域でも梅乃宿のリキュールは人気が高く、販売数も多いため、リキュールを売ることで梅乃宿の知名度を上げ、販売の形をつくることができました。日本酒仕込みのリキュールといえば梅乃宿というイメージは、各地域で定着してきたのではないかと思っています。
これからの仕事は、これを日本酒の販売につなげること。最近、営業をしていて、個性と味わいのある日本酒が求められるようになってきたと感じます。地酒蔵への注目度も高くなってきているため、これからはどの蔵にも平等にチャンスがあると思うんです。このため、勤務時間外に飲食店を回り、知らない人と酒を酌み交わしながら情報を集め、それを蔵にフィードバックするという試みを始めています。また、プライベートなおつきあいがきっかけで地元メディアとのパイプができたので、今後はそれを太くし、仕事にもつなげていきたいと考えています。プライベートの時間に描いた点と点を仕事という線でつなぐことによって、梅乃宿の日本酒が人びとの目に止まる環境をつくりたい。だからこそ自分が梅乃宿の顔になって、営業という枠を飛び越えたエンターティナー的な存在になれるようにと挑戦を続けています。
梅乃宿のお客さまは、酒販店と飲食店、それに消費者という3つのジャンルに分けることができるのですが、営業という立場で言うと、それぞれに知ってほしいことや伝えたいことが違います。このため、お客さまに合ったマニュアルをつくり、勉強会も開きたいと考えています。そして、できるだけ奈良の地場産業と交流を持ち、お互いがお互いにプラスになるような機会も設けていきたいですね。たとえば最近若い世代が頑張ってつくっているものに奈良野菜がありますが、野菜を収穫してランチを食べる野菜の会を開いている農家さんも少なくないんです。おいしい食には旨い酒ということで、そこに梅乃宿の日本酒を絡めていくことも考えています。自分自身もフードアナリスト3級の取得を目指して勉強中なので、いずれは食と日本酒を絡めたイベントを多彩に展開していきたいと思っています。
リキュールの人気もあり、梅乃宿はリキュールメーカーというブランドイメージを持つ人も少なくないのですが、最近日本酒との差が少しずつ縮まってきました。山風香も、発売から1年を経て、ようやく顔が出てきたと感じています。ここからが梅乃宿の本当のスタート。今後の目標は、人と人のつながりや多くの人の協力によって、梅乃宿も私自身も育てていだいているということを常に念頭に置きながら、新しい商品のアイディアを出したり、既存の商品の新しい飲み方の提案などを行っていくことでしょうか。
入社するまでは、梅乃宿といえば正月の酒というイメージでした。人びとのイメージを少しずつ塗り替え、味わいのある親しみやすいお酒として、梅乃宿の日本酒を広げていきたいですね。