酒を造るということは、日本の文化を継承するということ。 酒文化の伝道する梅乃宿のポリシーをご紹介します。
SEASON 04
梅乃宿ストーリー
第1回 【あらごしれもん編】発売までの舞台裏
梅乃宿の「あらごしシリーズ」は、果実を贅沢にブレンドした日本酒仕込みの果実酒。「あらごし梅酒」「梅乃宿ゆず」「あらごしみかん」などのラインナップは、いずれもリッチな香りと口当たりで、デザートのようなリキュールと高い評価をいただいています。
この秋、そのあらごしシリーズに待望の「あらごしれもん」が加わりました。ロックやソーダ割りが定番となったあらごしシリーズの中で、この「あらごしれもん」はお湯割りがおすすめという異色の商品。なぜレモンなのか。そして、なぜお湯割りなのか。開発・製造チームの座談会で、発売までの舞台裏に迫りました。
座談会出席者
開発担当:石塚 好
調達・製造担当:大川 篤史
瓶詰め担当:浦谷 淳
企画・営業担当:甲斐 陽子
———最初に「あらごしれもん」発売までの経緯を教えてください。
石塚:あらごしシリーズにレモンを加えたいという構想は以前からあり、2016年の秋にはプロトタイプができ上がっていました。そんな時、原材料商社さんから「ブレンドに最適なレモンミンチがある」という情報をいただき、発売に向けてプロジェクトが動き出したのです。
大川:開発から、あらごしれもんは、果実をじっくり漬け込んだ浸漬酒(しんせきしゅ)と果汁を合体させることによってリッチな香りと旨味を実現したお酒にするという構想を聞きました。このため、次の課題は国産のレモン果汁を見つけることでした。ところが、これが見つからない。チーム全員で総力をあげて果汁探しに奔走し、2017年の2月に提供してくれるメーカーさんが見つかったことで、初めて発売の見込みが立ったのです。
———味の決め手は、国産のレモンミンチと国産レモン果汁を使用したことですか。
石塚:そこに国産はちみつを加え、やさしい味に仕上げた点もポイントです。また、浸漬酒は国産レモンを使って自社で製造し、レモンの香りと爽やかな酸味を引き出しました。
———初めからお湯割りを想定していましたか。
石塚:もともと寒い季節に最初から飲める温かいリキュールをつくりたいという思いはありました。これを「あらごしれもん」で実現したいと考えたのは、良いレモンミンチに出会ったから。その後はお湯割りに合うリキュールにするために、アルコール度数やブレンドをさまざまに工夫しました。
大川:当初は、チューハイやサワーなど、レモンを使ったお酒が世の中に溢れている時代に、どうしてレモンなんだろうと不思議に思っていたんです。ところがサンプルをお湯割りにして飲んだところ、その香りの良さやおいしさに衝撃を受けました。その時、「これはいける!」と感じたんです。
浦谷:瓶詰めをする時はお酒を加熱殺菌しながら加えるため、すでにホットで香りも強く、現場はレモンの匂いでいっぱいになります。実際にサンプルを飲んで、僕自身は熱いストレートでもいけると思いました。レモンミンチもおいしく、後味もいいんですよ。
甲斐:私が初めて試飲したのは、アルコール度数の比較サンプル段階でした。リキュール市場は縮小傾向にあると言われているなかで、単純に今までと同様にロック・ソーダ割がおすすめの商品は難しいのではないか、というのが最初に感じた正直な感想でした。しかし、お湯割り前提のリキュールという新しいジャンルの開拓を目指した商品だと聞き、面白いと感じました。同時に、割った後のアルコール度数を3%以上にしてほしいという希望を出しました。あらごしシリーズを愛飲いただいているお客さまは、あまりお酒に強くない方が多いのですが、アルコール度数が低すぎても飲み応えがないため、ほろ酔いリキュールとして売り出したいと考えたのです。最終的にアルコール度数は10%になり、お湯割りにしてもソーダ割りにしてもおいしいお酒ができました。
———評判はいかがでしたか。
甲斐:リキュールをホットでいただくというのはこれまでになかった発想ですが、予約開始直後からたくさんのご予約をいただき、発売前に予約完売しました。このような状況を見てニーズは多いと感じました。数量限定発売であったことも、好評をいただいた要因だったかもしれません。
石塚:嬉しいですね。あらごしシリーズ発売10周年企画で、お客さまに「普段どういう飲み方であらごしシリーズを楽しんでいますか?」というアンケートを実施したのですが、ホットで飲むという方が思いの外多かったんです。ストレート、ロック、ソーダ割という定番の楽しみ方に加え、お湯割りという新しい飲み方を提案した点も良かったと思います。
———定番商品としての期待も高まりますね。
大川:原料がすべて天然由来なので、完全に同じ味のものがつくれるという保証はないのですが、しっかりと分析や検査を行って、安定した味と品質を実現してお届けしたいですね。夏はキンと冷やした「クールゆず」を、冬はホットで「あらごしれもん」をと、季節にあったあらごしシリーズを楽しんでいただけると嬉しいです。
浦谷:瓶詰めをする我々の責任は重大ですね(笑)。より一層、品質の維持に努めます。
甲斐:お湯割りにすると、爽やかなレモンの香りがふわりと立ち、はちみつのコクのある甘さを感じていただくことができます。アルコール度数が高いお酒は苦手という方にもおすすめの味なので、ぜひ女性にもこのリキュールを試していただきたいと考えています。おすすめは、「あらごしれもん」1:お湯2のブレンド。一度お試しいただくと、きっとリピートしたくなるに違いありません。
「あらごしシリーズ」の3年ぶりの新商品「あらごしれもん」は、10月5日(木)発売。梅乃宿が提案する新しいお酒、新しい飲み方を、ぜひお試しください。